気高い薫りに包まれた、麗しの楽園『Verbant Rose』に長年伝わるお伽話。
。。。
何百年かに一度の蒼銀の夜に、咲き誇る伝説の薔薇。
『銀月の薔薇』
その花弁に口付けをしたら、どんな願いも叶えられるだろう。。。
その伝説を信じ、守るべきモノの為に
四人は旅をする−
 
 
 
 
『La chanson de l'ouverture』
 
 
 
 
「随分遠くまで来たなぁ・・・。」
褐色の肌の男は、溜息混じりに空を仰いだ。
 
この森に入ってから、もう幾日が過ぎた事だろう。
手持ちの食料は底を付き掛けているのだが、如何せん町への道がわからない。
 
今夜こそは宿で眠りたかったんだが・・・。
彼がそう続けようとした次の瞬間、奥の方で爆音が鳴り響いた。
 
「・・・!?」
 
弾かれた様に、その音の方向に駆け出した。
 
 
 
 
「くっ・・・!!数が多すぎる・・・」
 
先ほど放たれた爆音は、どうやらこの人物が野盗を蹴散らす為の様だ。
赤いローブに、純白の肌・・・。
射抜く様な青い瞳は、明らかに同様を隠せないで居た。
 
「そんなコケオドシじゃあ、俺等はおどろかねぇぜ・・・」
 

ジリジリと迫り来る野盗に、爆音の正体を当てる事も出来ずに、彼は後退する。
数歩下がったが木に背がぶつかり、もう後が無い。
 
「有り金全部・・・それと身包み。一式置いて行って貰おうか。」
 
野盗の腕が彼に伸びた瞬間・・・。
 
 
ザン!!!!!!
 
 
 
血飛沫を上げて野党の腕が吹き飛んだ。
野盗と彼の間を、見事な大剣が割って入っていた。
 
「弱い物虐めは関心しねぇなぁ・・・」
 
俊足で彼の居所まで駆けつけたにも関わらず、褐色の肌の男は呼吸を乱さず不敵に微笑んだ。
その腕には、赤く染まった大剣。
 
「久しぶりに人に会ったんだ。歓迎しろよ?」
 
そう呟き振った大剣は、一気に何人もの野盗をなぎ倒す。
 
 
 
 
出会ってしまった
 
これが最初
 
La chanson de l'ouverture・・・
 
始まりの歌
 
 
 
 
                      〜 遵 suivre 〜

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